周産期医療の広場 報告書等

このサイトでは、分娩取扱医療機関情報を提供しています。
○「分娩取扱医療機関」は財団法人日本医療機能評価機構が運営する産科医療補償制度の2011年1月時点における参加医療機関リストを元に本サイトで作成し、定期的に更新しています。ただし、個々の医療機関の分娩取扱を絶対的に保証するものではありません。
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【平成26年度厚労科研特別研究】「持続可能な周産期医療体制の構築のための研究」報告書④   開催日 2015/04/10

平成26年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
「持続可能な周産期医療体制の構築のための研究」
分担研究報告書

「産婦人科新規専攻医の地域格差と分娩の取扱の実態に基づいた持続可能な地域産科医療体制の確保のための方策に関する研究」

研究代表者 海野信也 北里大学医学部産科学 教授

研究要旨
1) 日本産科婦人科学会より提供を受けた会員の年齢、性別、勤務先別の分布、新規入会産婦人科医師の都道府県別の人数、人口動態統計による都道府県人口、出生場所別出生数等のデータを用いて、日本産科婦人科学会 性別年齢別会員数、年度別入会者数(産婦人科医)、2008-2013年度の都道府県別新規産婦人科医数(人口十万対)、施設類型ごとの日本産科婦人科学会学会員の年齢別・男女別分布、わが国の出生場所別出生数の年次推移、都道府県別の出生場所別出生割合を検討した。
2) 日本産科婦人科学会が策定した産婦人科医療改革グランドデザイン2010で目標に掲げた新規産婦人科専攻医数は全国で年間500名という数字だが、このレベルに到達しているのは、東京都、京都府、大阪府、岡山県、徳島県、福岡県、沖縄県の7都府県に過ぎなかった。特に岩手県、福島県、茨城県、埼玉県、新潟県、岐阜県、和歌山県、山口県、香川県、愛媛県、熊本県、大分県の12県では全国平均からみても著しく少数であり、この状況がさらに持続した場合、その世代の産婦人科医が地域で著しく少ない状況が持続する結果、地域での産婦人科医療提供体制自体の維持が著しく困難となることが懸念された。
3) 分娩取扱における病院と診療所の関与の程度を都道府県別にみると、北海道、秋田、山形、東京、神奈川、山梨、長野、大阪、島根、香川、高知、沖縄では病院分娩の率が60%を超えている一方で、栃木、岐阜、三重、滋賀、福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎では診療所分娩が60%以上となっているが、そのような地域差が発生した原因は明らかになっていない。
4) 地域によって分娩取扱の割合は大きく異なる。それぞれの地域で、次の世代が分娩取扱業務を続けるためには、病院、診療所の双方が、勤務条件の改善を実行しなければならない。求められることは、病院、診療所ともに、当直回数、拘束時間の軽減、勤務の弾力化と考えられる。診療規模の大規模化と施設あたり勤務医師数の増加による、当直回数、拘束時間の軽減が必須の条件と考えられる。これらが満たされない場合、その地域での妊娠分娩管理の環境の安定的確保は非常に困難になると考えられた。
  • 2-1  産婦人科新規専攻医の地域格差と分娩の取扱の実態に基づいた持続可能な地域産科医療体制の確保のための方策に関する研究.pdf
参照サイト:なし