周産期医療の広場 トピックス

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【日本産科婦人科学会】「胎児心拍数図の用語及び定義」改定案 最終版   2013/05/09 up!

【概要】
【平成25年5月9日開催の日本産科婦人科学会第1回臨時理事会に周産期委員会より提案し、承認を受けた最終版です。】

胎児機能不全診断基準の妥当性検討に関する小委員会
(委員長:池田智明)

「胎児心拍数図の用語及び定義」改定案の提案

2003年8 月号日本産科婦人科学会誌に掲載した,「胎児心拍数図の用語及び定義」につき,Ⅲ.胎児心拍数図波形の定義,D.胎児心拍数一過性変動,(2)一過性徐脈の箇所を,以下のように変更することを周産期委員会案として提出した.従来のいわゆる「30秒ルール」では判断に迷う例があり,「心拍数の減少が急速または緩やか」という表現に修正する改定案を作成した.平成24年度に日本産科婦人科学会誌と学会ホームページで会員の意見を募集したところ、5件の意見が寄せられた。これらの意見を基に、以下のように修正し、これを周産会委員会としての最終的な改定案として提案する。

(2)一過性徐脈 deceleration
一過性徐脈の波形は、心拍数の減少が急速であるか、緩やかであるかにより、肉眼的に区別することを基本とする。その判断が困難な場合は心拍数減少の開始から最下点に至るまでに要する時間を参考とし、両者の境界を30秒とする。対応する子宮収縮がある場合には以下の4つに分類する。対応する子宮収縮がない場合でも変動一過性徐脈と遷延一過性徐脈は判読する。

(i)早発一過性徐脈 early deceleration
 早発一過性徐脈とは、子宮収縮に伴って、心拍数が緩やかに減少し、緩やかに回復する波形で、一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点と概ね一致しているものをいう。

(ii)遅発一過性徐脈 late deceleration
 遅発一過性徐脈は、子宮収縮に伴って、心拍数が緩やかに減少し、緩やかに回復する波形で、一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点より遅れているものをいう。多くの場合、一過性徐脈の開始・最下点・回復が、おのおの子宮収縮の開始・最強点・終了より遅れる。

(iii)変動一過性徐脈 variable deceleration
 変動一過性徐脈とは、15bpm以上の心拍数減少が急速に起こり、開始から回復まで15秒以上2分未満の波形をいう。その心拍数減少は直前の心拍数より算出される。子宮収縮に伴って発生する場合は、一定の形を取らず、下降度、持続時間は子宮収縮ごとに変動することが多い。

(iv)遷延一過性徐脈 prolonged deceleration
 遷延一過性徐脈とは心拍数減少が15bpm以上で、開始から回復まで2分以上10分未満の波形をいう。その心拍数減少は直前の心拍数より算出される。10分以上の心拍数減少の持続は基線の変化と見なす。
 
  • 22013-5-9 「胎児心拍数図の用語及び定義」改定 最終版.pdf
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