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【日本産婦人科医会】妊娠中のクラミジア感染に関する実態調査結果の報告   2015/02/23 up!

【概要】
妊娠中のクラミジア感染に関する実態調査結果の報告

                               公益社団法人日本産婦人科医会
                                        会長 木下 勝之


 日頃より、本会の事業推進に多々ご指導ご尽力賜り感謝申し上げます。
 2014年8月に会員のみなさまにご協力いただいて実施した妊娠中の性器クラミジア感染の実態調査の結果をご報告いたします。

(1) 用いている検査法の頻度
 ① 全国 2,544の分娩取扱施設に、2013年10月~2014年3月までの間に実施した妊娠中の性器クラミジア検査の状況についてアンケートによる調査依頼を行いました。 その結果、1,758施設(69.2%)、から 329,288症例の結果につき、ご回答いただきました。
 ② この中で、統計解析が可能であった1,644施設のうち、PCR法による抗原検査のみを実施していた施設が1,221(74.3%)、PCR法以外の抗原検査のみを実施していた施設が408(24.8%)、血清抗体検査で代用し、抗原検査を全く実施していない施設が15(0.9%)ありました。

(2) クラミジア抗原陽性率の頻度
 ① これらの施設におけるクラミジア検査陽性率を表1に示しますが、各検査方法における妊婦の年齢分布は3群間に差はありませんでした。
 ② 性器クラミジアの感染の有無を調べる検査法は、産婦人科診療ガイドラインで明らかなごとく、抗体陽性は必ずしも抗原陽性と一致しない事実から、抗原検査のみを、検査法として、採用しました。従って、本調査に置いても、クラミジア感染陽性例は、抗原検査陽性例をもって、陽性例としました。
 ③ それによると、表1に示しましたように、PCR法と他の抗原検査法とでは、年齢別の結果をみると、どの年齢層においても、抗原検査法の違いによる抗原陽性率に差は認めませんでした。
 ④ 年齢別のPCR法による抗原陽性例の頻度は、19歳未満は15.9%、20~24歳7.5%、 25~19歳2.3%、30~34歳1.2%、35~39歳0.8%、40歳以上1.0%であり、年齢の若い程、30歳以降に比し、感染率は高いことが明らかでした。
 PCR法による抗原検査結果に関して、各年齢層別による陽性率の頻度の傾向は、他の抗原検査法による結果と有意差は認めていません。
 ⑤ 全妊婦に対する PCR抗原検査陽性頻度は、2.3%でした。

(3)クラミジア感染症の検査法に関するお願い 産婦人科診療ガイドラインの記述通り、クラミジア感染症の検査は、抗原検査法による結果で、判断しなければなりません。今回の調査でも明らかなごとく、抗体検査では、 陽性頻度は高く出るのですが、その結果から、抗原の有無を判断することはできません。 従って、今後は、抗体検査ではなくPCR法を中心に抗原検査の採用をお願いいたします。

〔おわりに〕 このたび、会員の皆様からいただきた貴重なデータは、「性の健康医学財団」と協力し、クラミジア母子感染予防に役立てていく所存です。 日々診療でご多忙のところ、アンケート調査にご協力いただきましたこと、心より厚く御礼
申し上げます。
  • chlamydia.pdf
参照サイト:日本産婦人科医会 http://www.jaog.or.jp/      関連キーワード: 周産期医療  感染症対策